「言い訳するな」←なぜ悪い?事実なのに聞く耳を持たない人の心理

はたしてそれは言い訳なのでしょうか。

仕事では上司から注意や指導で激しく叱られることがあります。

もちろん非があれば反省しますが、そうでなければ反論したくなるものです。

しかし反論をした場合、事実なのに「言い訳するな」と頭ごなしに言われることがあります。

なぜ聞く耳を持ってくれないのか、その心理をご紹介します。

1.自分の思い通りにしたい

勤めている会社の上司が部下に「言い訳するな」と言うケースを考えていきます。

こちらが事実を言っているのに、「言い訳するな」と言われることは、理不尽だと感じるでしょう。

言う人はどのような場合であれ、こちらより上の立場となる人です。

つまり、「言い訳するな」と言われるときの関係性は、常に同じということになります。

また、上司は人間関係的にまだ浅い人に対して「言い訳するな」とは言いません。

仮に有能だった人に言ってしまった場合、自身のその後の立場が悪くなる恐れがあるからです。

反論として事実が示されても、「言い訳するな」と理不尽に言うことができるのは、そう言っても自身の立場が悪くならない相手であることを分かったうえで言っています。

つまり、人を選んで言っているのです。

これだけ見ても、理不尽なことをして、部下を押さえつける最低な行為だということがわかるでしょう。

簡単に言えば、「言い訳するな」という上司は、すべてを自分の思い通りにしたいという心理があるのです。

そのため、自分の思い通りにならないことは、適当な理由をつけて叱責してきます。

2.反論されること自体にイラつく

学生時代に、先輩後輩の上下関係の厳しい部活動をする人がいます。

先輩の言うことは、たとえ事実に反していても正解となってしまうくらい、異常な上下関係が重んじられるものです。

立場が上の人が、下の人に叱る場面で、後輩が反論することは、「口ごたえ」だと言われるものです。

当然、悪い印象が残るでしょう。

下の人の反論が、事実で正論だとしても、無理やり押さえつけられてしまうものです。

つまり、反論されること自体にイラつき、叱責しているのです。

上司が部下に叱る場面では、部下の声にまったく聞く耳を持とうとしないこともあります。

部下からの反論の内容などどうでも良く、反論されること自体に、イラっとするからです。

このような上司は、過去に異常な上下関係の中を過ごしていたのかもしれません。

そのときの経験を、今あなたに味わわせているのです。

ある意味、上司も被害者だということになります。

3.一度思った考えを変えたくない

事実であるのに、「言い訳」として耳を貸さないのは、自身が一度表明した考えを変更したくないのかもしれません。

部下の言うことをとり入れ、自分の考えを変えることが、

「恥ずかしい」
「威厳に関わる」

と思っているのです。

簡単に言えば、プライドという心理のせいだということになります。

また、考えを変えずに突き通すことを、

「自分は考えが終始一貫していて有能である」
「性格が厳格な人間」

と、勘違いしていることもあります。

さらに、自分は直感的思考が優れているという、うぬぼれもあるでしょう。

いずれにしても、部下からは迷惑極まりない心理です。

このような上司は、考えに柔軟性がなく、部下からの不人気を集めるタイプの上司となります。

4.「嫌い」を正当化

シンプルに上司が部下のことを嫌いなため、「言い訳するな」と言うこともあります。

しかし一応上司ですので、そのような感情で部下を見てはいけないという倫理観があるものです。

多くの上司はこの倫理観によって、えこひいきを心の中でセーブするでしょう。

しかしなかには、そうではない人もいます。

この嫌いという嫌な気持は、部下に作らされたと考え、いじめを正当化するのです。

「嫌いになったのは、元々部下が自分を嫌っていたからだ」
「仕事ができないことから悪いのだ」
「自分を怒らせるから悪い」

このような心理があり、自分の心にある醜いもの・好ましくないものを決して認めず、責任転嫁をします。

そして、このようなことを繰り返していくうちに、理不尽な行動への抵抗感が無くなっていくのです。

5.できるだけ関わらないこと

「言い訳するな」と理不尽に言われたら、ひとたまりもありません。

いくらこちらが正当なことを言っても、無理です。

そして、何も対処しなければ、良くないことが再び起こった時、また理不尽なことを言われます。そのため、

  • できるだけ関わらない
  • 信頼できる他の社員に相談する
  • より上の立場の管理職に相談する。別の上司の部下となる
  • 仕事を辞める

というような対処法をとりましょう。

わかってもらおうと、粘ることはあなたの心を壊すだけです。

また、言われても我慢し続けようとは思わないでください。

言われても平気だ、と思って意地を張っても、ストレスのダメージが心の中に気づかぬうちに蓄積し、いつか体の体調に異変な症状が現れます。

仕事を辞めるのは最終手段ですが、病んでしまうくらいであれば、そのような決断をしたほうが良いです。

できるだけ、上司を避けるようにしましょう。

訳を聞いてくれないことは異常

事実なのに、言い訳を聞いてくれないのは異常です。

あなたは、悪くありません。

「言い訳するな」と言う人は初めからこちらを悪いと決めつけています。

「あの時は悪いこと言ってしまったな」と、いつか上司が反省することを薄く期待し、できるだけ関わらないようにしましょう。